クラフトリビア

我がビール博物館の中にあるレストランでは、あるクラフトビールを味わうことができる。その名も「クラフトリビア」。クラフト（＝ビール作り）にまつわるトリビア（＝雑学）を隠し味にしたビア（＝ビール）のことだ。
一口飲めば芳醇な麦芽の香りとホップの爽やかな苦みに心地よく酔い、同時に心だけが古代から現代に至るあらゆる時代にタイムトラベルして、人々がどのようにビールを作り、味わってきたのかが興味深い雑学をまじえつつ楽しめる。博物館内を見学した後にそのクラフトリビアを味わうことで、ビール誕生の歴史をその場に居合わせているかのように追体験できるのだ。
ただ最近、このビールにすっかりハマってしまって悪酔いから醒めず、世界中の歴史的職人が作ったクラフトビールをひたすら味わいたいと過去の世界から心が戻って来ない来館者がいることに館長である私としては困惑している。
どんな美酒も程々に心地よく酔うことが大切なのだ。