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散歩中。
学校の前に焼き芋屋の車がいて、行列ができていた。
学生は皆、買った芋にスマホを押しつけていた。
歓声を上げている子もいる。
気になって列に着き、私の番になった。
会員証は?ときかれ首を振ると、無料のアプリが必要という。
すぐインストールし、芋の代金を渡そうとすると、不要と言われた。
不思議な焼き芋屋だ。
家で芋をかじりつつ、アプリを開いた。
食べ残しを置いておくと数日で成長し、芋ができる。それを返却すれば無料ということだった。
店の名は「貸し芋屋」。
芋をアプリで読み込めば、誰が食べた芋の子孫か分かるという。
やってみると、名前と日付が表示された。誰がいつ芋を借り、返したかの履歴だ。
意中の人が返した芋を借りられると、思いが叶うかも、と書かれている。
履歴は、十年、二十年と遡れた。そこには、級友の名前があった。
芋の甘さとともに、懐かしい秋を味わったのだった。
学校の前に焼き芋屋の車がいて、行列ができていた。
学生は皆、買った芋にスマホを押しつけていた。
歓声を上げている子もいる。
気になって列に着き、私の番になった。
会員証は?ときかれ首を振ると、無料のアプリが必要という。
すぐインストールし、芋の代金を渡そうとすると、不要と言われた。
不思議な焼き芋屋だ。
家で芋をかじりつつ、アプリを開いた。
食べ残しを置いておくと数日で成長し、芋ができる。それを返却すれば無料ということだった。
店の名は「貸し芋屋」。
芋をアプリで読み込めば、誰が食べた芋の子孫か分かるという。
やってみると、名前と日付が表示された。誰がいつ芋を借り、返したかの履歴だ。
意中の人が返した芋を借りられると、思いが叶うかも、と書かれている。
履歴は、十年、二十年と遡れた。そこには、級友の名前があった。
芋の甘さとともに、懐かしい秋を味わったのだった。
ファンタジー
公開:23/09/22 12:08
#研究室ライブ
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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