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新年。
新しい手帳を開くとそこには、覚えのない予定が私の字で書かれていた。
今日の予定は、打ち合わせと書類の作成とある。
実際にその通りで、1月は手帳に書かれた通りに進んでいった。
3月になり、手帳をめくった。
1日に予定があり、あとは真っ白だ。
最後の予定は、電車に乗って高野山に行く、だ。
高野山のふもとに着くと、白髪の老人に声をかけられた。
「来たと言うことは、手帳を信じたな」
私の誰何の問いに、老人は「未来のお前」と答えた。
今年、人生の大きな決断がある。
「未来の私」は、その決断に失敗したという。
だから、これから正解を教えてやる、その手帳に書いておけ、と。
しばらくの沈黙の後。
私はカバンから手帳を取り出すと、その場で「未来の私」に返した。
「残念だ」
言い残すと、老人は煙のように消えていった。
帰り道、新しい手帳を買い直した。
後悔しない2024年を創るためだ。
新しい手帳を開くとそこには、覚えのない予定が私の字で書かれていた。
今日の予定は、打ち合わせと書類の作成とある。
実際にその通りで、1月は手帳に書かれた通りに進んでいった。
3月になり、手帳をめくった。
1日に予定があり、あとは真っ白だ。
最後の予定は、電車に乗って高野山に行く、だ。
高野山のふもとに着くと、白髪の老人に声をかけられた。
「来たと言うことは、手帳を信じたな」
私の誰何の問いに、老人は「未来のお前」と答えた。
今年、人生の大きな決断がある。
「未来の私」は、その決断に失敗したという。
だから、これから正解を教えてやる、その手帳に書いておけ、と。
しばらくの沈黙の後。
私はカバンから手帳を取り出すと、その場で「未来の私」に返した。
「残念だ」
言い残すと、老人は煙のように消えていった。
帰り道、新しい手帳を買い直した。
後悔しない2024年を創るためだ。
ファンタジー
公開:24/01/11 10:57
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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