豆を「弾く」雪だるま

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昔むかし、北国の森に、一人の雪だるまが住んでいました。

雪だるまは雹(ひょう)が降ると、外に木の枝や板を並べます。
それぞれが違う音を鳴らし、まるで合奏しているようでした。
いつしか、森の動物たちが集まり、雪だるまの音楽会は評判になりました。

ところが。
その年の冬は、いつになく暖かくなりました。
雪だるまは体調を崩し、寝込んでしまいます。

心配した動物たちは、雪だるまを元気づけようと知恵を集めました。
そして、音楽を奏でることを決めたのです。

リスたちはどんぐりを集め、
鳥たちは枯れ葉や枯れ枝を集め、
猫たちは豆をたくさん集めました。
そして、雪だるまの家の前で、どんぐりや豆をまいて音楽を生み出したのです。

元気を取り戻した雪だるまは、森の仲間たちとのセッションを始めました。
その音楽は、北国にいつまでも響いていたそうです。
ファンタジー
公開:23/11/30 11:37
#研究室ライブ

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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