ブラックなお年玉

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「おい、坊!今年もほれ、お年玉だ!」
 そう言って叔父さんは、今年もお年玉をくれた。叔父さんは毎年小さくない額のお年玉をくれるから大好きだ。
「なんて思ってたけど……」
 思ってたけど、年を経ると、さすがに申し訳なさが出てくる。僕は叔父さんに聞いた。
「ねえ叔父さん?どうして毎年、あんなにお年玉をくれるの?大変じゃない?その、自分のお財布……」
「んー?気にするなよ坊。ところでおめえ、そのお年玉、いつも何に使ってる?」
「え?教材買ったり、必要なもの買ったり、あとは貯金?将来のために。まだ結構残ってるはずだよ」
「将来のために、か。よく言った!」
 叔父さんは突然大声で褒め、僕の頭をわしゃわしゃ撫でる。そしてさらに叔父さんは言った。
「坊、その将来とは、まさに今だ!叔父さんに酒を買ってくれ!」
 叔父さんが要求する酒は、目が飛び出るほど高価なものだった。
「これを期待してたのかー!」
公開:23/11/10 01:09
更新:23/11/10 01:15
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