特大旅館

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宿のロビーでチェックインを済ますと「お部屋へご案内いたします」と仲居さんがやってきた。軽自動車ほどの荷物を背負っている。
「それ何ですか?」「アメニティグッズでございます」
客室への扉を開くと石造りの廊下が奥へ伸びている。
「ささ、どうぞ」
廊下の突き当りのドアを開く。その先には広大な砂原が広がっていた。
「当館自慢の大砂漠でございます」
仲居さんは荷物からラクダを出すと私を乗せて歩きだす。地平線の向こうに大きな夕陽が沈む頃に、宮殿の様な客室に着いた。
一息つくと「では大浴場にご案内します」
宮殿の長い階段を降りると地下に川が流れていた。仲居さんが操るボートに乗って激流を下った先は温泉の湖だった。
頭上には満天の星。遠慮なく湯に飛び込んだ。

温泉から出るとお腹が空いてきた。
「ご夕食は取れたての深海ガニをご賞味ください」仲居さんが言うと、露天風呂の真ん中に巨大な潜水艦が静かに浮上した。
ファンタジー
公開:23/03/15 00:29
更新:23/03/15 11:18

北澤奇実

ご無沙汰しております。北澤です。お陰様で元気に過ごしております。

椿さん、そるとさん、坊っちゃん文学賞受賞おめでとうございます。
それから、ご活躍のガーデンの皆様、おめでとうございます。

私も引き続き精進してまいります。
(一年半ぶりの投稿でUIの使い方をすっかり忘れていました……)

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