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自称登山家である私は誰も登ったことのない山に登ってみたいと思っていた。そんな時友人から聞いたのが、「活花山」という山である。この名前、通称であるというが、それは山の特徴からきているらしい。なんとこの山は噴火するとマグマや灰ではなく、花を散らすというのだ。「噴火」ではなく、「噴花」である。それは見てみたいと早速向かうと、その山がある地域はとても暖かく、早くも町の方では菜の花が咲き乱れており、山を見ても、冬独特の山の雰囲気ではなかった。これは期待できると早速登ると、目にも鮮やかな色とりどりの花に迎えられた。花について勉強してくるんだったと後悔していると、突然、鼻の奥がムズムズしはじめた。そして盛大に飛び出てしまったくしゃみ。どうやらこの山は噴花したばかりらしい。花粉症でもない私はいよいよ「花噴症」デビューしてしまったようだ。
公開:23/02/26 08:00

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