失恋墓地
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男が一人、墓地を彷徨っていた。そこへ、男より少しばかり若い男が話しかけてきた。「あなたも、墓地を探しているのですか?」
「あなたもーーということは、あなたも?」
聞き返すと、若い方の男は首を振った。「いえいえ、私はーー」
言葉を濁したのが気にかかり、目付きで先を促す。
「ーーお誘いに来たのですよ」
「誘い?何の誘い?」
「いえ、たいへん申し上げにくいのですが、あなたも誰かに捨てら
れた、もしくは拒絶されたのでしょう?同じ墓に入ることを」
男は目を見開く。「そうです!どうしてそれをーー」
「私も同じだからです。好きな人に、ストーカー扱いされたーー」
「ストーカー扱い……」
「私のことは、どうでもよいのです。それよりあなた、あなたが入るべきお墓、ご用意していますよ」
「本当ですか!?」
男は喜び、若い男について行く。
後日、男が彷徨い歩いていた墓地から、幽霊が出るという噂が消えた。
「あなたもーーということは、あなたも?」
聞き返すと、若い方の男は首を振った。「いえいえ、私はーー」
言葉を濁したのが気にかかり、目付きで先を促す。
「ーーお誘いに来たのですよ」
「誘い?何の誘い?」
「いえ、たいへん申し上げにくいのですが、あなたも誰かに捨てら
れた、もしくは拒絶されたのでしょう?同じ墓に入ることを」
男は目を見開く。「そうです!どうしてそれをーー」
「私も同じだからです。好きな人に、ストーカー扱いされたーー」
「ストーカー扱い……」
「私のことは、どうでもよいのです。それよりあなた、あなたが入るべきお墓、ご用意していますよ」
「本当ですか!?」
男は喜び、若い男について行く。
後日、男が彷徨い歩いていた墓地から、幽霊が出るという噂が消えた。
公開:23/01/24 04:29
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