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久しぶりに会った彼女は、昔と何も変わっていなかった。強いて言えば、昔は裸眼だったのに、今は眼鏡をかけていることくらい。
「相変わらず読書、っていうか絵本が好きなわけ?子供ね、いつまで経っても」
皮肉のつもりで言ってみる。が、彼女は気にしない。それどころか、頑張って大人っぽく振る舞う私を誉める始末。もう、イライラした。
「あんた、いつからメガネなんかーー外しなさいよ!」
顔を叩くと、眼鏡が勢いよく床に落ち、そして割れた。
「ああっ、童眼鏡が……!」
慌てる彼女が、奇妙なことを言った。
 そのときだった。不意に顔を上げた彼女が、私に掴みかかってきた。汚い言葉を撒き散らした。私は驚いた。あとから人に聞いた話だと、彼女の思春期以降のワルっぷりはそれはひどいものだったらしく、純粋で素直な心を忘れさせないためにこの眼鏡を掛けているということだった。人とはわからないものだと思った。
公開:23/01/17 11:59

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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