雪見商事
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そのセールスマンが売っていたのは、雪見障子の建具だった。セールスマンは言った。
「この雪見障子は、雪を見るためだけの障子ではありません!」
ん、まあ、そうでしょうね……。(売り方下手か、こいつ?)
「なんと、見たい時に見たい景色が見れる障子なのです!」
「え?」
なにか今、信じられないことを言われた気がする。見たい時に、見たい景色が?んなバカな。
セールスマンは、強引だった。呆けている私に対して、言葉を挟ませることなく喋り続け、私は雪見障子を買ってしまった。
「本当かしら?見たい景色が見れるって」
信用できないから、見たい景色を心で念じたことはない。でも、あれから3年が経つ。季節はちゃんと巡っている。けれども雪見障子からは雪景色しか見えない。私が他の景色を見せてと言わないから。
「やっぱりあのセールスマンの言うことは本当……いやいやいや!」
答えは出ているのに、なんか認めたくない私である。
「この雪見障子は、雪を見るためだけの障子ではありません!」
ん、まあ、そうでしょうね……。(売り方下手か、こいつ?)
「なんと、見たい時に見たい景色が見れる障子なのです!」
「え?」
なにか今、信じられないことを言われた気がする。見たい時に、見たい景色が?んなバカな。
セールスマンは、強引だった。呆けている私に対して、言葉を挟ませることなく喋り続け、私は雪見障子を買ってしまった。
「本当かしら?見たい景色が見れるって」
信用できないから、見たい景色を心で念じたことはない。でも、あれから3年が経つ。季節はちゃんと巡っている。けれども雪見障子からは雪景色しか見えない。私が他の景色を見せてと言わないから。
「やっぱりあのセールスマンの言うことは本当……いやいやいや!」
答えは出ているのに、なんか認めたくない私である。
公開:23/01/09 03:22
雪見障子
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