持続可能な錬金術

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簡単に片付けができます、という商品を見つけ、注文してみた。
縦横1メートルほどの、プラスチック製の箱が届いた。

不要品を入れておくと、勝手に必要な人の元へ転送される。
数日後、等価の物が箱に届くという仕組みだ。

リサイクルに出したり、梱包する手間がないのが楽だった。
交換で届いたものも、使わないのであればまた箱へ入れる。
繰り返すうち、何がほしいかを学習し、交換品の精度は上がっていった。

ふと、自分が入ったらどうなるのか、と気になった。
箱を開け、体を縮めて中に入っていき、蓋を閉めた。ふっと気を失った。

目を覚ますと、人々が私を見ていた。
どこかの家の中だった。何か言っているのが聞こえるが、言葉がわからない。

それから数年。
私はその家に住まわせてもらい、言葉を覚え、仕事を見つけ、家族を得た。
幸せな毎日だ。

ただひとつ気になるのは、私は何と等価交換されたか、ということだ。
ファンタジー
公開:23/01/10 09:48

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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