2
3
今でははない、いつか、どこかに。
天に届く巨大な梅の木がある街がありました。
てっぺんは雲の中にあり、地上から見えるのは太い幹と、枝の一部だけ。
大樹は春先に花をつけ、夏になる前に実をつけます。
春と夏の間は雨の季節。
強い雨に打たれて、大樹の実は地上へと落下します。
甘い香りのする、ほんのり赤と黄色が混じった、緑色の美しい実です。
街の人々は実を拾い集め、さまざまな特産品を作ります。
ジャム、砂糖漬け、果実酒にキャンディ。
ある年も雨期がやってきて、ひとびとは実が降る日を待っていました。
けれど珍しく、台風がやってきたのです。
強い風は実を、遙か遠くまで吹き飛ばしてしまいました。
異国で、木の実の雨が降りました。
それはその国で、「梅」と呼ばれる木の実でした。
以来その国では、春と夏の間を「梅雨」と呼ぶようになったとか。
天に届く巨大な梅の木がある街がありました。
てっぺんは雲の中にあり、地上から見えるのは太い幹と、枝の一部だけ。
大樹は春先に花をつけ、夏になる前に実をつけます。
春と夏の間は雨の季節。
強い雨に打たれて、大樹の実は地上へと落下します。
甘い香りのする、ほんのり赤と黄色が混じった、緑色の美しい実です。
街の人々は実を拾い集め、さまざまな特産品を作ります。
ジャム、砂糖漬け、果実酒にキャンディ。
ある年も雨期がやってきて、ひとびとは実が降る日を待っていました。
けれど珍しく、台風がやってきたのです。
強い風は実を、遙か遠くまで吹き飛ばしてしまいました。
異国で、木の実の雨が降りました。
それはその国で、「梅」と呼ばれる木の実でした。
以来その国では、春と夏の間を「梅雨」と呼ぶようになったとか。
ファンタジー
公開:23/06/14 14:53
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
ログインするとコメントを投稿できます