反論する蛍光ペン
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「よしおちゃん、次こそは絶対、学年1位よ!」
よしおのママがいう。ママはとても教育熱心で、自分もまた、頭の良い人だった。が、それがしばしば、息子にストレスを与えた。
「はあ、もっと成績を上げないと、ママを悲しませてしまう……」
ため息を漏らすよしおに、パパがあるものをくれた。それは色とりどりの蛍光ペン。「これで、大事な所に線を引くといい。教科書にも、ノートにもだぞ?」
蛍光ペンをもらったよしおは翌日から、それを使って勉強した。それは代物だった。ここは大事だ、と蛍光ペン自らが喋って教えてくれるのだ。よしおは嬉しくなった。勉強が楽しくもなった。
ところが、である。ある時、蛍光ペンが何も喋らなくなった。仕方ないので自発的に線を引こうとするも、引けない。どうしたんだと問いかけると、蛍光ペンがやっと言った。
「そこは覚えなくていい。あんまり100点ばかりだと、周りにイヤな目で見られるぞ」
よしおのママがいう。ママはとても教育熱心で、自分もまた、頭の良い人だった。が、それがしばしば、息子にストレスを与えた。
「はあ、もっと成績を上げないと、ママを悲しませてしまう……」
ため息を漏らすよしおに、パパがあるものをくれた。それは色とりどりの蛍光ペン。「これで、大事な所に線を引くといい。教科書にも、ノートにもだぞ?」
蛍光ペンをもらったよしおは翌日から、それを使って勉強した。それは代物だった。ここは大事だ、と蛍光ペン自らが喋って教えてくれるのだ。よしおは嬉しくなった。勉強が楽しくもなった。
ところが、である。ある時、蛍光ペンが何も喋らなくなった。仕方ないので自発的に線を引こうとするも、引けない。どうしたんだと問いかけると、蛍光ペンがやっと言った。
「そこは覚えなくていい。あんまり100点ばかりだと、周りにイヤな目で見られるぞ」
公開:23/06/10 10:00
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