子育て支援お守り

　家事に仕事に子育てにと毎日忙しいはずの友人は、それでもホームパーティーが好きな人だった。何度会っても疲れた顔を見せない彼女を、私は尊敬していた。
「あなたっていつも元気よね。いったいその華奢な体のどこにそんな力があるの？」
　私が聞くと、彼女はいたずらっぽい笑みを見せ、エプロンのポケットから何かを取り出した。「これのおかげよ。子育て支援お守りというの」
「子育て支援お守り？なにそれ？」
「そのまんまの意味よ。八百万の神様が降臨して、子育てを手伝ってくれるの。身の回りの世話とか、しつけとかね」
　にわかには信じがたい話をする彼女は、「でもねえ」とため息をつく。
「半分、神様が育ててくださった子でしょう？私がヒステリックに叱ると、『神の子になんだ、その口の聞き方は！』って、私が神様に怒られるのよ」