待ちくたヴィレッジ
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彼女との待ち合わせ。時間を過ぎても、なかなか来ない彼女。最初こそイライラしたり、俺のために目いっぱいおめかししてるなとにやけたりしていたが、だんだんと不安になってきた。
「だ、大丈夫か?まさか、どこかで事故でも……」
ぶつぶつ呟いていると、後ろから声がかかった。
「おや、あなたもですか?」
振り返ると、シュッとした老紳士がにこやかな顔で俺を見ていた。俺は聞いた。「あの、どちらさまで?あなたも、とは……?」
「や、これは失礼。知らないのですね。ここは通称『待ちくたヴィレッジ』。待ち合わせている相手がなかなか来ない人が集まり、いつのまにか町と化した場所なのです。ね?あなたも誰かを待っておられるのでしょう?どうです?イライラしないで、私らに混ざりませんか?」
もやだろうか?手を差し出す老紳士の下半身は見えなかったーー。
「だ、大丈夫か?まさか、どこかで事故でも……」
ぶつぶつ呟いていると、後ろから声がかかった。
「おや、あなたもですか?」
振り返ると、シュッとした老紳士がにこやかな顔で俺を見ていた。俺は聞いた。「あの、どちらさまで?あなたも、とは……?」
「や、これは失礼。知らないのですね。ここは通称『待ちくたヴィレッジ』。待ち合わせている相手がなかなか来ない人が集まり、いつのまにか町と化した場所なのです。ね?あなたも誰かを待っておられるのでしょう?どうです?イライラしないで、私らに混ざりませんか?」
もやだろうか?手を差し出す老紳士の下半身は見えなかったーー。
公開:23/05/06 11:14
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