幼年期カプセル

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新作の企画書を書いているが、どうにもまとまらない。
先輩に相談すると、青色のカプセルを渡された。これを飲むと解決するという。

飲みこんだとたん、視界が広がる感覚があった。
何を見ても興味と疑問が湧いた。

一日中、目に入る全てが新しく感じられた。
たまらなくなって、屋外に飛び出す。
今なら、どこまでも歩いていける気がした。
その気持ちに従って、見慣れた街を歩く。最高の気分だった。

突然、身体が動かなくなった。
というより、飽きた。
家に帰りたい、という気持ちで頭の中がいっぱいになる。

休み休み、家を目指して歩く。
見慣れた景色は、知らない街の知らない景色に見えた。

どうにか家に着いたのは、夜中になってからだった。
いつもの散歩道だったのに、世界の果てまで行ったような気分。
アイデアの種はたくさん見つかった。

ベッドに潜り込むと、遊び疲れた子どものように、よく眠れた。
ファンタジー
公開:23/04/30 12:45

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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