見える課

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私は生まれつき、モノが持つ数字が見える。

空を見上げれば雲に10と数字が書かれている。
ラーメンには780という具合。
便利だと言われることもあるが、うっとうしいだけだ。

特にいやなのは、数字の意味が分からないことだった。

空や食品はまだ想像しやすい。降水確率やカロリーだろう。
では、高層ビルの壁の16598348とは一体何だ?
流れる川に浮かぶ9834785とは?

っと、さんざん悪く言ったが、この力を活用できる仕事に出会った。

職場には、大量の一万円札が置かれている。
紙幣を見ると、額面の数字とは別に、17という数字が浮かんでいる。
大半は同じ17。
だが中に違う数字が浮かぶものがある。

偽札だ。

私は捜査三課の刑事だ。偽札探しが仕事。
なにせ、どんな精巧な偽札も一瞬で見分けられるのだ。

なぜかって?
紙幣に浮かんで見える数字は、その札を作るコストだから、だよ。
ファンタジー
公開:23/04/11 09:43

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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