傘と卵と猫と
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雨の日が好き。お気に入りの傘をさせるから。
雨の日が好き。傘の下が好きだから。
雨の日が待ち遠しい。前から欲しかった傘、やっと買えるんだ。
雨の日が待ち遠しい。まあるい傘、買うんだ。
まあるい傘の下にいるとね、卵の中にいるみたいな気持ちになるの。
守られてるみたいな、気持ちになるの。
誰からも、何からも隔絶されて。
まあるい傘、欲しいな。欲しいな、まあるい傘。
そんなことを思っていたらね、いたよ、まあるい傘持ってる人。
路肩にしゃがんで、何かを見てた。
どんな子かな?って、覗いてみたよ。私もしゃがんで、ね。
「あ……」
傘の持ち主は、猫さんだったみたい。天日で乾かしている傘の下、気持ちよさそうに、でも迷惑そうに、私を見返していたよ。
にゃー。
雨の日が好き。傘の下が好きだから。
雨の日が待ち遠しい。前から欲しかった傘、やっと買えるんだ。
雨の日が待ち遠しい。まあるい傘、買うんだ。
まあるい傘の下にいるとね、卵の中にいるみたいな気持ちになるの。
守られてるみたいな、気持ちになるの。
誰からも、何からも隔絶されて。
まあるい傘、欲しいな。欲しいな、まあるい傘。
そんなことを思っていたらね、いたよ、まあるい傘持ってる人。
路肩にしゃがんで、何かを見てた。
どんな子かな?って、覗いてみたよ。私もしゃがんで、ね。
「あ……」
傘の持ち主は、猫さんだったみたい。天日で乾かしている傘の下、気持ちよさそうに、でも迷惑そうに、私を見返していたよ。
にゃー。
公開:23/04/11 06:25
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