階段話
1
1
体を作るため、なるべくエレベーターではなく階段で移動することにしている。
ある時、おかしなことに気づいた。階段を降れば降るほど、力が湧いてくる感覚があったのだ。ふつう逆ではないか?歩けば歩くほど、疲れてくるはずじゃあ……。
不思議だなぁ、早くも体力がついてきたということか?と、楽観的に思っていると、いつもだったら疲れて手をついてしまう柱のところで、奇妙なものを見た。
ーー男の子がいるーー
鏡のようになっている柱に写るのは、10歳くらいの男の子。しかし、周りにそんな子はいない。いるのは齢67の私だけ。
壁には階層を示す数字が書かれている。
「……え?」
私は愕然とし、しばらくそこから、動けなかった。
ある時、おかしなことに気づいた。階段を降れば降るほど、力が湧いてくる感覚があったのだ。ふつう逆ではないか?歩けば歩くほど、疲れてくるはずじゃあ……。
不思議だなぁ、早くも体力がついてきたということか?と、楽観的に思っていると、いつもだったら疲れて手をついてしまう柱のところで、奇妙なものを見た。
ーー男の子がいるーー
鏡のようになっている柱に写るのは、10歳くらいの男の子。しかし、周りにそんな子はいない。いるのは齢67の私だけ。
壁には階層を示す数字が書かれている。
「……え?」
私は愕然とし、しばらくそこから、動けなかった。
公開:23/04/06 05:34
ログインするとコメントを投稿できます