布団Journey

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楽しみだった遠足の朝に熱が出て、僕は布団の中にいる。
皆今頃は二子山に登ってるだろう。晴れてるから良い景色だ。
そんな事を考えてると頭がぼおっとしてくる。自分に掛かっている布団が山の様に見えてくる。
胸の上の両手に掛かった布団が二子山の様だ。じっと布団の山を見てると何だかそこに登った気持ちになる。布団の山の上から僕の体が広々と見える。
ヤッホーと叫んで胸の上に降りていく。僕の胸は呼吸で上下していて雲の上の様だ。
胸を越えるとお腹に出る。真っ平らで腹の原っぱだ。真ん中の窪みまで行ってお弁当を食べよう。ここがおヘソだ。赤ちゃんの時に栄養をもらった所。
食休みをして、また歩き出した。両足の間の谷間から右足の尾根を伝い、膝頭で一服。左膝に飛び移って脛の道を一気に駆け抜けた。
最後の難所は、足の甲の絶壁。慎重に手足でホールドできる場所を探して、足の親指から登頂。振り向くと彼方に寝てる僕の顔が見えた。
ファンタジー
公開:23/03/31 22:20

北澤奇実

前回の投稿から一年近く経っていました。びっくりしました。
そしてSSGに初投稿からそろそろ6年です。自分の変わらなさに、改めてびっくりしました。

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