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疲れきった身体を引きずり、私は街をさまよっていた。
時の流れが遅い。未来が、明日さえも、絶望的に遙か遠く感じられる。
気づくと、ハデなシャツの男が近づいてきて、こう言った。
「この切符をあげよう。貴方が望む場所に連れていってくれるよ。」
言葉を返すことすら面倒で、ひったくるように切符を受け取った。
やがて街の灯りが消えた。
行き場のない私は、郊外へ向かう。
海風の吹く、夜の公園にやってきた。
一面の静寂。闇に溶けて消えてしまいそうだった。いや、そうしたかった。
ベンチに寝転がっていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。
どれくらいの時間が過ぎたのか。
頬を撫でる風と、陽光のくすぐったさに目を覚ました。
頭をかきながら身体を起こすと、ポケットから何かが落ちた。
切符だった。
朝露に濡れて光るそれに、文字が浮かび上がっていた。
「世界で一番近くて、一番遠い場所へ、ようこそ!」
時の流れが遅い。未来が、明日さえも、絶望的に遙か遠く感じられる。
気づくと、ハデなシャツの男が近づいてきて、こう言った。
「この切符をあげよう。貴方が望む場所に連れていってくれるよ。」
言葉を返すことすら面倒で、ひったくるように切符を受け取った。
やがて街の灯りが消えた。
行き場のない私は、郊外へ向かう。
海風の吹く、夜の公園にやってきた。
一面の静寂。闇に溶けて消えてしまいそうだった。いや、そうしたかった。
ベンチに寝転がっていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。
どれくらいの時間が過ぎたのか。
頬を撫でる風と、陽光のくすぐったさに目を覚ました。
頭をかきながら身体を起こすと、ポケットから何かが落ちた。
切符だった。
朝露に濡れて光るそれに、文字が浮かび上がっていた。
「世界で一番近くて、一番遠い場所へ、ようこそ!」
公開:23/03/31 10:39
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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