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帰宅してポストを見ると、ハガキが届いていた。
差出人は故郷の母だ。
絵描きを目指して上京した私を心配し、手紙を送ってくる。
最初は電話だったけど、私がとらないから手紙になった。
ハガキを裏返すと、故郷の写真だった。ずいぶん古いようで、写真の下には昭和63年と書かれている。
私が小学生になった年だ。
きゅっと目を閉じる。
すると──私は故郷に立っていた!
見覚えのある駄菓子屋に、子どもたちが集まっている。その中の一人は、幼い頃の私だった。
故郷の友人、店のおばあさん、亡くなってしまった祖父母の姿も見える。
そこで私は、鉛筆を一本、買っていた。大切そうに抱えている。
声は聞こえない。
ただ、故郷の風が、私の心をやさしく撫でていく。
目を開けた。
私の家の、ポストの前に戻っていた。
部屋に駆け込み、机の引き出しを開けた。
そこにはちびたけれど、大切にとってある鉛筆があった。
差出人は故郷の母だ。
絵描きを目指して上京した私を心配し、手紙を送ってくる。
最初は電話だったけど、私がとらないから手紙になった。
ハガキを裏返すと、故郷の写真だった。ずいぶん古いようで、写真の下には昭和63年と書かれている。
私が小学生になった年だ。
きゅっと目を閉じる。
すると──私は故郷に立っていた!
見覚えのある駄菓子屋に、子どもたちが集まっている。その中の一人は、幼い頃の私だった。
故郷の友人、店のおばあさん、亡くなってしまった祖父母の姿も見える。
そこで私は、鉛筆を一本、買っていた。大切そうに抱えている。
声は聞こえない。
ただ、故郷の風が、私の心をやさしく撫でていく。
目を開けた。
私の家の、ポストの前に戻っていた。
部屋に駆け込み、机の引き出しを開けた。
そこにはちびたけれど、大切にとってある鉛筆があった。
ファンタジー
公開:23/03/28 11:11
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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