吸血鬼

4
1

私は妖怪の類が大好きだ。
悪魔が出るとされる村があるという話を聞き村へとたどり着いた。

村の住民に話を聞くと、出るのは「吸血鬼」だと言う。
この時期になると音もなく現れ血を吸われた人間は廃人になってしまうのだとか。

そう言えば吸血鬼には吸われた人は吸血鬼になるという言い伝えもある。
自分自身が吸血鬼になれる。ミステリーオタクとしては最高のシチュエーションだった。

私は村の民宿に泊まらせてもらい、興奮しながら床に就いた。念の為に枕元には銀のスプーンを置いておいた。


翌朝、異常な痒みで身を覚ました。
通常の100倍は痒い。私は布団の上で必死に腫れた場所を掻きむしった。
民宿の方が朝食を誘いに来た。私の様子を見ると、驚きと恐怖の混じった顔付きになった。

「き、吸血鬼よ…!この村に生息している蚊は吸われると何も手につかないくらい痒みが襲って皮膚が爛れるから吸血鬼と呼ばれているの…」
ホラー
公開:22/09/09 16:08

Thelema

コメントはあまりしませんが皆様の作品をいつも楽しく拝見しております!
叙述トリックものが大好物

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容