サギ

「ネットでフィッシング？」

「ええ、最近サギの間では流行りらしいのです。私たちも昔ながらの手法をやめてこれで引っ掛けてみませんか」

「何を言っている、リアルタイムで相手の出方を伺えない。これほどリスキーなやり方はないだろう」

「ですが、今のやり方ではあまりにも効率が悪くありませんか」

「効率は悪いかもしれないが、確実に獲物を捕えられる。何より俺たちの口はこのためについてるようなものだろ」


サギはそう言うと翼を羽ばたかせて高く飛んだ。
急降下したと思ったら水面ギリギリで滑空し魚をパクリと喰らった。

「さすがですね。やはりこのやり方が私たちには1番なようです」

「ああ、ネットフィッシングは人間のジビキアミとやらを真似したやり方らしいが、そんなもの使わなくても捕まえたい時にいくらでも捕まえられるさ」