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製塩が盛んなとある国がある。
食塩、飲料、お菓子や薬品などが生産され、一大産業となっている。
その国で新製品が生まれた。猫塩という。

それは猫から取れるわけでも、猫が作るわけでもない。
作り方が「猫のような」塩なのだ。

海水から塩の結晶を作るところまでは、普通の塩と同じ。
猫塩づくりは、ここからが本番である。

塩を日当たりのよい、といって暑すぎない場所に置き、撫でるのだ。
撫でる場所によって塩が嫌がることがあり、その場合は場所を変えるか、時間を改める。
塩が嫌がっているかに気付けるかが、職人の腕だ。
嫌がる塩を撫で続けると、苦味が増してしまう。

撫でられていない時の猫塩は風に吹かれ、日にあたり、成熟していく。
そのため、構いすぎないのも重要。大事な猫塩と手をかけすぎてもいけない。
あくまで優しく、でも甘やかさず。
甘やかしすぎると、塩ではなくて砂糖になってしまうからだ。
ファンタジー
公開:22/08/24 09:32

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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