灯篭流し
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僕は川を見つめていた。もう何日も河原に通っている。
昔、おばあちゃんから川は死んだ人が行く“冥土”という場所に繋がっていると聞いた。この川の向こうには交通事故でいなくなってしまったお父さんとお母さんはいるのだろうか。
ふと、川の遠くが光っていることに気づいた。
いや、川が光っているのではない。光る筒が川から流れてきたのだ。
よく見ると筒の正体は紙で、中には火がつけられた蝋燭が入っている。
そこで、以前家族みんなで灯篭流しをしたことを思い出し、今日がお盆であることに気がついた。
お盆はご先祖さまが帰ってくる日。これもおばあちゃんが教えてくれたことだった。
「僕もお父さんとお母さんに会えるかな…」
そうぽつりと呟き、僕は再び石を手にした。
三途の川を流れる灯篭は彼方に流されていった。
昔、おばあちゃんから川は死んだ人が行く“冥土”という場所に繋がっていると聞いた。この川の向こうには交通事故でいなくなってしまったお父さんとお母さんはいるのだろうか。
ふと、川の遠くが光っていることに気づいた。
いや、川が光っているのではない。光る筒が川から流れてきたのだ。
よく見ると筒の正体は紙で、中には火がつけられた蝋燭が入っている。
そこで、以前家族みんなで灯篭流しをしたことを思い出し、今日がお盆であることに気がついた。
お盆はご先祖さまが帰ってくる日。これもおばあちゃんが教えてくれたことだった。
「僕もお父さんとお母さんに会えるかな…」
そうぽつりと呟き、僕は再び石を手にした。
三途の川を流れる灯篭は彼方に流されていった。
その他
公開:22/08/14 18:06
お盆
コメントはあまりしませんが皆様の作品をいつも楽しく拝見しております!
叙述トリックものが大好物
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