儀式

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今日は彼女にとっての新たな門出の日。

彼女は純白の衣装を身にまとっていた。
顔にかかる白い布をそっと上げると、彼女の白く透き通った肌が見える。
その姿は今まで見たどんな姿よりも美しかったかもしれない。

祈るように目を閉じている彼女に、僕はそっとキスをする。

溢れた涙が彼女の頬を伝った。
「…幸せに…」
掠れた声で呟いた、その先の言葉は続かなかった。

幾度となく鳴る鐘の音が僕の頭に響き渡った。



さようなら。
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公開:22/08/10 21:24
更新:22/08/15 12:21

Thelema

コメントはあまりしませんが皆様の作品をいつも楽しく拝見しております!
叙述トリックものが大好物

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