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世界の果て。
空に浮かんだ島に、雲の工場がある。

そこでは、かつて地上にいたものたちが働く。
姿は犬や猫、スマホや自動車と様々だ。
日々届く『材料』を機械にかけて雲を作り、空へと送り出す。

雲の材料は、地上に住むものの感情だ。
喜び、怒り、哀しみ、楽しさなどが、言葉となり声となり、天へと舞い上がる。
それが工場に届くというしくみだ。

ただし、外に出せなかった感情は空に上がることなく、中にとどまり続ける。
これが続くと雲が作れず、なにより感情が暴走してしまう。
そこで工場で働くものたちは、ときどき、地上に降りて人々の感情を動かすのだ。

ある者はコメディアンとして人々を笑わせた。
別のものは勇士として、人々に勇気を与えた。
憧れを抱かせ、勇気を振るわせ、感情をふるわせた。

あなたがもし、感情が動くことがあったら。
それは、雲の工場で働く「雲の上の人」に、出会ったからかもしれない。
ファンタジー
公開:22/08/03 11:38

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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