棒アイドル
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そのアイドルは、しばらく姿をくらませていた。ストーカー被害に遭っていたからである。加えてのマスコミの執拗な追っかけ。そこに配慮してくれたマネージャーはじめ会社全体の配慮であった。だが、アイドルのほうも大変だ。そろそろ生活に困ってきたのである。
「そろそろ、いいかな?」
そうしてアイドルは復活した。が、最初はやはり慎重に。そして、『今だ!』というときに現れた。
「なんだよ、またハズレかよ。おばちゃん、この店当たりが出ないんだけど!」
男が言うと、隣で友人が声を上げた。先の男に比べて、ずいぶんとイケメンだ。
「やった!おばちゃん!おばちゃん!」
「ハイハイ、今行くよ。まったく、騒がしいねえ。」
面倒そうに飼い猫と出てきたおばちゃんに、イケメンは言った。
「棒アイスもう一本!」
「そろそろ、いいかな?」
そうしてアイドルは復活した。が、最初はやはり慎重に。そして、『今だ!』というときに現れた。
「なんだよ、またハズレかよ。おばちゃん、この店当たりが出ないんだけど!」
男が言うと、隣で友人が声を上げた。先の男に比べて、ずいぶんとイケメンだ。
「やった!おばちゃん!おばちゃん!」
「ハイハイ、今行くよ。まったく、騒がしいねえ。」
面倒そうに飼い猫と出てきたおばちゃんに、イケメンは言った。
「棒アイスもう一本!」
公開:22/10/20 18:58
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