口裂け女が殺された【6章】

「どういうことですかね…誰1人彼女を知らないなんて…まさか霊障…」
「そんなわけないだろう。とりあえず、最初に話を聞いた人にもう1度聞き込みをするぞ」

「上野…？」
「はい、先程お話に出た上野葉月さんです」
「…あー！」

最初は異国語でも聞いているような態度だったがフルネームで思い出したようだった。

「葉月ちゃんはウエノじゃなくてウワノですよ」
「えっ、これは失礼しました」
「葉月ちゃんも中学以降引きこもってるみたいです…ほら、アレだし」
「アレ、とは？」

「…口が裂けてるんですよ」