口裂け女が殺された【3章】

「遺体は佐原さんで間違いないようです」
「そうか、まさか手がかりとなる人物が死んでいたとは…」
「それから、佐原さんと上野さんが、昨日までやり取りをしていたんです。もちろん誰かがなりすましている可能性もありますが」
「確かに上野さんの携帯は見つかっていないし、誰かが拾ってなりすましている可能性が高いな」
「しかし…なりすましにしてはちょっと内容が妙なんですよ」
「どういうことだ？」
そう言うと携帯に送られていたメッセージを見せてきた。

「なんで殺したの 許さない」

端的だが恐ろしい文言。口裂け女事件はまだ公表されていないはずなのに。つまり知っているのは犯人と…殺された本人だけだろう。

「どういうことだ…？」
「私にも分かりません…本当に上野さんの幽霊とか…」
「そんなわけあるか、とにかく佐原はやはりクロの可能性が高いな」

そんなわけない、と思いつつ少しの恐怖を感じていた。