マーボー秋雨

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仕事がひと段落して、私は大きく伸びをした。
窓の外を見ると、街路樹が色づき、秋が深まっていくのが感じられる。

昼食をどこで食べようかと考え、社食に行ってみた。
メニューを見ると、マーボー秋雨定食というのが目に入った。
春雨ではなく、秋雨。
気になったので注文してみる。

出てきたのは、真っ赤な唐辛子と共に炒めめられた、マーボー春雨に見えるものだった。

空いている席に座り、まじまじと眺める。
どのあたりが「秋」雨なのだろう。まずは一口食べてみた。

辛い!

真夏の日差しのような辛さだ。
だが、それはすぐに消えて、歯ごたえが口の中に広がる。
春雨、いや秋雨を噛んでいくと、微かに芯が感じられ、そこはひんやりと冷たかった。

食後、腹ごなしの散歩にと外に出た。

日差しはまだ暑く、夏の余韻が感じられた。
けれど風の中に、近づいてくる冬を予感させる冷たさが含まれていた。
ファンタジー
公開:22/10/05 09:42

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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