恥を書く

恥の多い生涯を送って来ました。


このフレーズは文豪作品を代表する物語だ。
彼はまさに恥をかいて自殺したのだ。


42歳、無職。俺の人生なんて恥だらけだ。ここはひとつ、俺も恥を書いて散々迷惑かけた親に印税くらいくれてやるか。
さて、まずは恥を書きだしてみるか…。


幼稚園のお泊まり会でおもらしをして好きな子の目の前で先生に裸にされたこと。

小学校で先生をママと呼んでしまったこと。

中学校、怪我もしてないのに眼帯を付けていたこと。

好きな子が俺の隣の人に話しかけてるのに俺が上擦った声で返事をしてしまったこと。

必ず受かると皆に言いふらしていた大学に落ちてしまったこと。

フリーター時代接客中口が回らなくなって集団の客に爆笑されたこと。


「いまいちインパクトにかける。こんなもの書いて死んでみろ。益々恥をかくことになる。」

俺は恥を書いた紙をゴミ箱に投げ捨てふて寝した。