レベル6の行き先

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自動車を買いに中古車ショップに行った。
安いものを探していたら、見慣れない軽自動車を案内された。

自動運転という技術がある。
段階があり、レベル5が最高なのだが、この車はレベル6。
ドライバーの状況を取得して、必要な場所に行ってくれるという。

興味が湧いた。試乗をお願いすると、よいとのこと。
運転席に座ると、シートベルトが自動装着され、エンジンが掛かった。
センサーが一瞬光って、すぐに車は勝手に走り始めた。

それから数時間。私は、都心を離れた田舎町にいた。
見覚えがある。
私が小学生まで過ごした、大好きだった街だ。
商店街のパーキングに停車すると、車はエンジンを切った。

車を降り、歩いてみる。
何十年かぶりの街は、とても新鮮に見えた。幼い日の思い出が蘇る思いだった。

私はこの車を買うことにした。
予算オーバーだが、この車が次にどこに連れていってくれるのか、楽しみだ。
ファンタジー
公開:22/04/06 10:34

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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