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今日は大好きな彼との初デート。慣れないおしゃれをめいっぱいして、その日に臨んだ。
デート終盤。彼が言った。きれいだ、と。それは私か、夕日だったか。彼が言葉を続ける。写真、撮ろうよ。夕日を背にさ。
ただいま二人、観覧車の中、彼が私の隣に座り、ゴンドラが一番上に来た時、カメラのシャッターは押された。
「ちょっと待って……」
データよりフィルムが好きと言う彼。インスタントカメラの写真をしばらく眺める。そしてひとこと。ーーごめん、やっぱり君とは……。
「ん?」
見せてくれた写真。私と彼のあいだに無数の白いピース。これではツーショットではない。
「いや、そうじゃなくて……」
私は首を振り、宙に怒鳴る。
「ゴルァァ!」
心霊たちに吠えた。
あれ以来、私の写真に心霊は映らない。そして、大好きな彼も、やっぱりいなくなった。
「姐御ばりの声、出しちゃったもんなぁ……」
そこはやっぱり、私のせいよね、トホホ。
その他
公開:21/11/17 05:56

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