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夜、夫は外に出て、なにやら作業をしていた。何やってるの?と聞くと、「来るな!」と、まるで人質を取った強盗犯の凄みで叫ばれる。驚いて立ち止まると、なんだろう、あたりが臭う。これは、ぎんなん?
「最近、街路の銀杏並木が、元気がなくてな。製法は秘密だが、これを木に塗ってやろうと思って。あ、明日は早く出るぞ。より朝早く撒いてやった方がいいんだよ」
わかったような、わからないような説明をした夫は、今度は機嫌良く何か歌い出した。
「枯木に花を咲かせましょーう」
ああ、なるほど、と思う。夫の先祖はたしか、「花咲か爺さん」の作者だったか、と。
その他
公開:21/11/14 19:05

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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