くまの子とくまのぬいぐるみ

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「あたしね、はやくおかあさんになりたいの。みんなよりはやく
!」
くまの女の子は、いつもそういっていました。あるひ、くまの女の子は、もりのなかにじぶんとそっくりな、でもだいぶちいさなくまの子を見つけました。くまの女の子はちょっとあごをあげて、くまの子に近づきます。
「あら、小さいくまさん。どうしたの?」
でも、小さいくまさんはこたえません。くまの女の子はまたききます。「おうちにかえれないの?」小さいくまさんは、やっぱりこたえません。だんだんむしゃくしゃしてきた女の子は、小さいくまさんをだきあげ、やさしく左右にゆらしました。むかし、ママがやってくれたように。「しょうがないわね。おねえさんが、しばらくあそんであげる」
それからふたりはおはなししたり、おままごとをしたりしました。
そのようすを木のかげから見ていたママ。そのおなかには、あたらしいいのちがありました。女の子には、まだひみつです。
公開:22/03/06 11:40

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