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神保町、すずらん通りの路地裏に、変わった文房具店がある。
私はこの店にしかない、ある商品を蒐集していた。
その名を「億年筆」という。
見た目は万年筆そのものだ。
だがこのペンは生きていて、ペン先は髪や爪のように成長を続ける。
伸びたペン先を書き手に合わせて削り、書き味を維持できるのだ。
さらに、書き手が使っていたインク瓶から、新しいペン先が生まれることがある。
そのペン先を使って新しい億年筆を作ることができるのだ。
億年筆は、書き手と共に代々受け継がれていく。
この店には、芥川が使ったペンの孫だとか、太宰が使ったペンの曾孫、なんてものが置かれている。最古の物は、古代ギリシャのヘロドトスのペンから連なるものだそうだ。
その書き心地、いかなるものか。
文豪のペンを使ったとて、その文章が書けるわけではないけれど。
だとしても、だからこそ──いつかは手にしたいと思っている。
私はこの店にしかない、ある商品を蒐集していた。
その名を「億年筆」という。
見た目は万年筆そのものだ。
だがこのペンは生きていて、ペン先は髪や爪のように成長を続ける。
伸びたペン先を書き手に合わせて削り、書き味を維持できるのだ。
さらに、書き手が使っていたインク瓶から、新しいペン先が生まれることがある。
そのペン先を使って新しい億年筆を作ることができるのだ。
億年筆は、書き手と共に代々受け継がれていく。
この店には、芥川が使ったペンの孫だとか、太宰が使ったペンの曾孫、なんてものが置かれている。最古の物は、古代ギリシャのヘロドトスのペンから連なるものだそうだ。
その書き心地、いかなるものか。
文豪のペンを使ったとて、その文章が書けるわけではないけれど。
だとしても、だからこそ──いつかは手にしたいと思っている。
ファンタジー
公開:22/01/26 10:18
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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