バク獏
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父さんが、変な生き物を買ってきた。名前はバクバク、というらしい。
「久志、おまえ、来週末、初のライブだったよな!これ、こいつを連れて行け!」
「はあ?何言ってんだよ親父。人がいっぱい来るんだぞ。そんなところに連れて行けるわけねえだろ」
俺は断ったが、親父はいやに強引だった。
初ライブ当日、俺は緊張していた。
「ただでさえ人前が苦手だってのに、あーっ、なんで歌手を目指したかなあ!」
後悔していると、誰かにジャケットの裾を引っ張られた。バクバクだった。
「おまえ、ついてきたのか!」
たしかに置いてきたはずなのに。ーーでも
「な、なんだよおまえ!やめろ、やめろって!」
バクバクに顔をなめられる。可愛いじゃないか、バクバク。
「なにやってんだ、おまえ」
バンドメンバーに不思議がられる。どうやらバクバクは見えないらしい。よかった。
「行くかおまえら!」
いつしか俺の緊張は解けていた。
「久志、おまえ、来週末、初のライブだったよな!これ、こいつを連れて行け!」
「はあ?何言ってんだよ親父。人がいっぱい来るんだぞ。そんなところに連れて行けるわけねえだろ」
俺は断ったが、親父はいやに強引だった。
初ライブ当日、俺は緊張していた。
「ただでさえ人前が苦手だってのに、あーっ、なんで歌手を目指したかなあ!」
後悔していると、誰かにジャケットの裾を引っ張られた。バクバクだった。
「おまえ、ついてきたのか!」
たしかに置いてきたはずなのに。ーーでも
「な、なんだよおまえ!やめろ、やめろって!」
バクバクに顔をなめられる。可愛いじゃないか、バクバク。
「なにやってんだ、おまえ」
バンドメンバーに不思議がられる。どうやらバクバクは見えないらしい。よかった。
「行くかおまえら!」
いつしか俺の緊張は解けていた。
その他
公開:22/01/23 18:40
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