彼女の悩み

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わたしには悩みがある。彼氏が、どうしようもない浮気性なのだ。
「あ……」
そら来た。いま角を曲がろうとしている女に釘付けになっている。
(まあ、たしかに美人だけど……)
正直そう思いながら、でもわたしは妬いてしまう。
「ちょっとマサヤ!デート中なんですけど!」
そう怒るが、彼はこちらを向かない。どうしてこうも手強いのか。
「なあ、マユミ」
すっかり美人の姿が見えなくなってから、マサヤが言った。
「今日は磯部もちな」
「……了解」
わたしには悩みがある。やきもちを妬くと、焼き餅を焼いてしまうのだ。それが、怒れば怒るほど、おいしいらしいのである。
その他
公開:22/01/16 11:27

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