そこから見える景色
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足の速いユートは毎年、一番手かアンカーの選手だった。かけっこ、徒競走、持久走などなど、すべてにおいて。
「ユート、今回も頼むぞ!」
陸上部顧問が、ユートの背を叩く。
「お前だけが頼りだ、ユート!」
陸上部の仲間が折り重なってユートに抱きつく。ーーユートはそれが、嫌だった。
それから半年後、体育祭。ユートの出番が来る。
「よーい!」
パンッ!
「うぅわぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!」
凄まじいユートの走り!そのユートの口元が、一生懸命何かを言っているとは、誰も気づかない。
「なんなんだよこの学校は!霊が多すぎだろ!ああっ!もう!みんな助けてよ!」
「ユート、今回も頼むぞ!」
陸上部顧問が、ユートの背を叩く。
「お前だけが頼りだ、ユート!」
陸上部の仲間が折り重なってユートに抱きつく。ーーユートはそれが、嫌だった。
それから半年後、体育祭。ユートの出番が来る。
「よーい!」
パンッ!
「うぅわぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!」
凄まじいユートの走り!そのユートの口元が、一生懸命何かを言っているとは、誰も気づかない。
「なんなんだよこの学校は!霊が多すぎだろ!ああっ!もう!みんな助けてよ!」
公開:22/01/14 11:39
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