ストーリーベンダー

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都心にある巨大駅に、物語の自動販売機がテスト設置された。

見た目は、ジュースの自販機とそっくりだ。
いろとりどりの缶の見本が並んでいる。

缶には、日常、SF、推理、ファンタジー、恋愛などのジャンルが書かれていた。
100円を入れ、好みの物語のボタンを押すと、缶が出てくる。
中身を飲み干し、目を閉じると、物語が脳裏に再生されるという仕組みだ。
退屈な通勤時間が楽しくなると好評で、多くの駅に設置された。

だが、ある問題が発生した。
物語に没頭するあまり、乗り過ごしが爆発的に増大してしまったのだ。

そこで改良が行われた。
全ての自販機の物語の長さが、1分に変更されたのだ。
乗り過ごしは減り、手軽に物語を味わえるようになったため、客も増え、売上も倍増しているという。
ファンタジー
公開:21/09/08 09:49

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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