元気をもらう

4
2

その山の形状は、まるで女神の横顔のようであった。私は会社へ行く際、いつもその山が見える道を通る。 
「今日もお綺麗ですね、女神様」 
私は言う。女神様は応えない。さすがというか、女神らしく、ツン、と鼻を太陽のほうに向けている。その鼻、いや、顔から、例えるなら女性の胸の辺りまでを、ふいに日の光が照らした。 
「あなたに勝つ人なんて、どこ探したっていませんや」 
そんな、太陽の想いも受け止めているのだろうかと苦笑しつつ、私は女神様から離れ、うるさい上司のいる会社へと向かった。
その他
公開:21/08/24 13:28

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容