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彼は不良品だ。不良、ではない。不良、品だ。 
不良品の彼は、とくべつ優しい性格ではない。だけど、とくべつワルなヤツでもない。どっちつかず、言い換えれば、普通の子。普通の子なのに、彼はそれで収まることを嫌う。そんな彼に、自分を変えるチャンスが訪れる。彼は、人を変えると噂の病院へ向かった。 
「どのように、変わりたいですか?」 
看護師に尋ねられる。いやに暗い人だ。彼は答える。変わったあとの自分を夢見つつ。 
 
数日後ーー。
舞台に立った校長が言った。 
「今年も、残念なお知らせをしなければなりません。6年2組の◯◯君が、しばらくの間、学校をお休みすることになりました。理由はーー」 
理由は、実は校長にも、担任にも、彼の家族にすら、わからない。それはそうだ。彼はただ、夏休みの宿題を終わらせなかっただけなのだから。なお、こんな理由で不良品になりたがる子は、昨今増えているらしい。
その他
公開:21/08/24 08:01

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