シンメトリー4

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解せない。理解できないのではない。納得できないのだ。今、彼はなんと言った?主人?彼と、彼のマミーが僕と、僕のお母さんの主人だって? 
(第一、なんだよ、マミーって。どこの貴族の坊っちゃんだよ、気色悪い) 
と、ここで僕は、いいことを思い付いてしまった。我ながら子供じみていると思ったけど、子供だからいい。 
僕は、向こうの僕に言った。 
「君が、君たちが僕ら親子の主人だというのなら、君たちには、ある義務が課せられるねっ」 
「義務?」 
向こうの僕が眉を寄せる。くくく、戸惑ってる、戸惑ってる。 
僕は得意になって、顔をツン、と上げると、彼に一歩、近づいた。
「そうさ。主人なら、飼い、飼い、飼い人間に優しくすること!」 
どうだ!とばかりにまた一歩、詰め寄る僕。思わぬところでつまづいたけど、構いやしないよな。ーーと、思ったけど、ヤツは一筋縄ではいかなかった。なんとここ一番盛大に吹き出したのだ!
ファンタジー
公開:21/08/20 14:22

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