バイキング
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「この海は俺のものだ。誰にも渡さねえ!」
「なにをっ!皆の者!かかれ!」
子供たちが、遊んでいる。聞くにおそらく、海賊ごっこだろう。五歳と三歳の男の子兄弟。親としては少々言葉遣いが気になるが、どうせわかって言ってはいるまいと、放っておいた。ーーのが間違いだった。
「もうお昼か。早いわーーねえ、君たち!」
私は息子たちに尋ねた。お昼は何食べたい?と。
「わからない?」
お兄ちゃんが聞く。私は首を傾げる。ーーお兄ちゃん、怒ってる?
「……バイキングつれてって」
ーーえ?
一瞬、思考が止まる。それから始まる、兄弟たちの「バイキングつれてってコール」。私は、耳をふさいで、お昼ご飯を勝手に作り始める。チラッと見ると、弟の方が楽しそう。なにもわからずお兄ちゃんのマネをする弟の方が、むしろ可愛らしかった。
「なにをっ!皆の者!かかれ!」
子供たちが、遊んでいる。聞くにおそらく、海賊ごっこだろう。五歳と三歳の男の子兄弟。親としては少々言葉遣いが気になるが、どうせわかって言ってはいるまいと、放っておいた。ーーのが間違いだった。
「もうお昼か。早いわーーねえ、君たち!」
私は息子たちに尋ねた。お昼は何食べたい?と。
「わからない?」
お兄ちゃんが聞く。私は首を傾げる。ーーお兄ちゃん、怒ってる?
「……バイキングつれてって」
ーーえ?
一瞬、思考が止まる。それから始まる、兄弟たちの「バイキングつれてってコール」。私は、耳をふさいで、お昼ご飯を勝手に作り始める。チラッと見ると、弟の方が楽しそう。なにもわからずお兄ちゃんのマネをする弟の方が、むしろ可愛らしかった。
その他
公開:21/08/20 11:13
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