シンメトリー5
4
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盛大に笑う、向こうの僕。こっちの僕は、恥ずかしくなる。
「な、なんだよ、何がおかしいんだ!」
抗議するが、ヤツは答えない。答えられないんだ。涙が出るほど、笑っていて。すると、玄関の方で、物音がした。お母さんが、帰ってきたんだ!
「お帰り、お母さん!」
「マミー、お帰りなさい!」
子供二人は挨拶したが、お母さん、ーーマミーかな?ーーは、答えなかった。
「お母さん?」
「マミー?」
同時に言って、同時に、逆の方に首をかしげる。その時だ。二人のお母さんが、同時に悲鳴をあげた。
「キャーーー…………ッ!」
それはつんざくような恐ろしげな声で、そのせいで、また外から誰か、入ってきた。
「どうした!」
それは、双方のお父さんだった。ーーだったけど。
パァン!
頬を打たれた。お父さん、いや、ダディに。向こうの僕だけ。僕とヤツは、呆気にとられた。
「な、なんだよ、何がおかしいんだ!」
抗議するが、ヤツは答えない。答えられないんだ。涙が出るほど、笑っていて。すると、玄関の方で、物音がした。お母さんが、帰ってきたんだ!
「お帰り、お母さん!」
「マミー、お帰りなさい!」
子供二人は挨拶したが、お母さん、ーーマミーかな?ーーは、答えなかった。
「お母さん?」
「マミー?」
同時に言って、同時に、逆の方に首をかしげる。その時だ。二人のお母さんが、同時に悲鳴をあげた。
「キャーーー…………ッ!」
それはつんざくような恐ろしげな声で、そのせいで、また外から誰か、入ってきた。
「どうした!」
それは、双方のお父さんだった。ーーだったけど。
パァン!
頬を打たれた。お父さん、いや、ダディに。向こうの僕だけ。僕とヤツは、呆気にとられた。
その他
公開:21/08/21 20:06
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