シンメトリー5

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盛大に笑う、向こうの僕。こっちの僕は、恥ずかしくなる。 
「な、なんだよ、何がおかしいんだ!」 
抗議するが、ヤツは答えない。答えられないんだ。涙が出るほど、笑っていて。すると、玄関の方で、物音がした。お母さんが、帰ってきたんだ! 
「お帰り、お母さん!」 
「マミー、お帰りなさい!」 
子供二人は挨拶したが、お母さん、ーーマミーかな?ーーは、答えなかった。 
「お母さん?」 
「マミー?」 
同時に言って、同時に、逆の方に首をかしげる。その時だ。二人のお母さんが、同時に悲鳴をあげた。 
「キャーーー…………ッ!」 
それはつんざくような恐ろしげな声で、そのせいで、また外から誰か、入ってきた。 
「どうした!」 
それは、双方のお父さんだった。ーーだったけど。
パァン! 
頬を打たれた。お父さん、いや、ダディに。向こうの僕だけ。僕とヤツは、呆気にとられた。
その他
公開:21/08/21 20:06

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