2
2

「タイトルは!『写真家族』です!」 
ヨータは元気な声で言いながら、夏休みの宿題を提出した。自由研究だ。その大きな声に、私は微笑ましい気持ちになる。毎年のこと。
「写真家族?家族写真じゃなくて?」 
きっと言い間違いだろう、そう思って、言ってみた。すると、こんな答えが……。 
「ううん!あのね、先生。ボクんち、今年は旅行に行ってないの。ボクのところだけじゃないよ。タケちんとこも、いっちゃんとこもだって!だからね、家族写真は、撮れないの!だからね、昔撮った写真をね、ボール紙に貼ったの、いっーぱい!」
「そう。今度行った場所じゃないけど、昔行ってて、残っているから、『写真家族』ね」 
大きくうなずく彼の笑顔が、切なかった。私は、彼の頭を撫でてあげた。 
 くすぐったそうに、子供が笑ったーー。
その他
公開:21/08/14 12:22

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容