悪夢喰いバク
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夢に七色のバクを見つけたら、悪夢を喰ってくれるーそんな噂が、子供たちのなかでにわかに広がっている。おかげで無駄に夜更かしする子もいなくなり、これは子供も大人も幸せにする噂だった。
「来年は、行けるといいね、おじいちゃんとこ」
たっくんが、お父さん、お母さんを見上げて言う。両親は温かく、そして切ない気持ちで、息子にうなずきかける。
「悪夢喰いバクにお願いしようね」
おやすみのあいさつは、それにとって変わった。
それからどのくらいの月日か、いまだ悪夢喰いのバクを見た子供はいない。だけど、信じてる。いつか悪夢喰いのバクは現れる。現れて、悪夢を喰ってくれる。喰いちぎって、ポイ、捨ててくれる。だから、信じてる。
純粋な心は、喰われてはならない。
「来年は、行けるといいね、おじいちゃんとこ」
たっくんが、お父さん、お母さんを見上げて言う。両親は温かく、そして切ない気持ちで、息子にうなずきかける。
「悪夢喰いバクにお願いしようね」
おやすみのあいさつは、それにとって変わった。
それからどのくらいの月日か、いまだ悪夢喰いのバクを見た子供はいない。だけど、信じてる。いつか悪夢喰いのバクは現れる。現れて、悪夢を喰ってくれる。喰いちぎって、ポイ、捨ててくれる。だから、信じてる。
純粋な心は、喰われてはならない。
その他
公開:21/08/15 07:34
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