小さい本屋ーおおかみ達の言い分ー
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「仲良くなりたいだけなんだよ、本当。オレらはさ。だけど、なあ?」
「ああ、この口と腹が、目の前にいるお友達を、ウェルカムしているんだよ。ったく、意地汚いったら」
「オレだって同じさ。あそこは寒くて、寂しくてよお。家に入れてもらいてえだけなんだ。でも、むこうが用心して入れてくれないから、つい、さ」
「つい、な」
「わかるよ、つい、だろ?」
本屋の片隅で、彼らは語り合っていた。それに聞き耳をたてつつ、店主はコーヒーを入れていたが、はたと思いついて、淹れたてのコーヒーを見下ろす。ーーはたしておおかみって、コーヒーは飲むのだろうか?
「いや、飲まないか。さてーー」
店主は何の気なしに宙を見上げる。時計が目につく。
「もうすぐ十二時ーーはっ!」
とたんに背筋が寒くなる店主。慌てて客人のもとへ。
「お昼、ご一緒にどうですか?」
「肉か!?」
おおかみたちが、一斉にこちらを見た。
「ああ、この口と腹が、目の前にいるお友達を、ウェルカムしているんだよ。ったく、意地汚いったら」
「オレだって同じさ。あそこは寒くて、寂しくてよお。家に入れてもらいてえだけなんだ。でも、むこうが用心して入れてくれないから、つい、さ」
「つい、な」
「わかるよ、つい、だろ?」
本屋の片隅で、彼らは語り合っていた。それに聞き耳をたてつつ、店主はコーヒーを入れていたが、はたと思いついて、淹れたてのコーヒーを見下ろす。ーーはたしておおかみって、コーヒーは飲むのだろうか?
「いや、飲まないか。さてーー」
店主は何の気なしに宙を見上げる。時計が目につく。
「もうすぐ十二時ーーはっ!」
とたんに背筋が寒くなる店主。慌てて客人のもとへ。
「お昼、ご一緒にどうですか?」
「肉か!?」
おおかみたちが、一斉にこちらを見た。
ファンタジー
公開:21/08/10 11:08
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